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カリスマ創業者を補佐するNo.2。大躍進を支え続ける功労者の、「人材育成」哲学とは。

2022/12/24

ホスト事業を軸に、ITや経営コンサルティング、不動産や飲食店といった多岐に渡るビジネスを展開する、株式会社ATMGホールディングス。今回は、“No.2”として、同ホールディングス及び、ホストクラブ事業の運営全般を管理する副会長馬刺さんに取材しました。経営・財務戦略の立案から実行に携わる馬刺さんは、グループ内で「親みたいな人」と慕われる存在です。

 

アトム初期から一貫して、組織構築のための「人づくり」を担う。

──アトムに所属されたきっかけを教えてください。

 

修斗会長とは専門学校時代からの友人で、19歳の時一緒にホストもしていました。当時のホスト界は変わっていて、二人の源氏名は、修斗会長は淡路島出身だったので「たまねぎ」、私が熊本出身だから「馬刺」と名付けられました。本当に変わった店でフロアにはこたつがあり麻雀をして接客していました。その後、会長は道路公団に就職し、後に起業する為にホストを再開。私はそのお店を辞めた後土木作業員やスロット生活、全国の友人宅を泊まり歩くという旅生活などを経て、就職。携帯ショップやマッサージの会社で会社員をしていました。そんな時、修斗会長から「独立してホストクラブを出すから手伝って欲しい」と声がかかったのです。オープンして2,3年はお店をどうしていくのかで四苦八苦し、まとまってもいませんだした。それはそうです。22歳そこそこの若者同士が集まってひとつのお店をやっていくことは本当に大変でした。そんな中僕は色々な事が重なり、一度アトムから一年ほど離れています。その期間は大手家電量販店に就職していました。それでも当時のアトムメンバーとは何かと繋がっていましたね。お店の状況、悩み相談はずっと聞いていました。それからある時、修斗会長から話がきて、「お店を本気で立て直したいから戻ってきてくれ」という願いを聞き、裏方としてお店の経営にも関わり本気で取り組むようになりました。それから現在に至ります。

 

──以来、No.2として、創業者の修斗会長を支える存在ですね。

 

先ほど話した通り、創業期にありがちなことだと思うのですが、経営者である修斗会長の理念と従業員たちが噛み合っていない状態でした。それぞれ頑張っているのですが、努力の方向性が違っているなと。会長はカリスマ性があり、光り輝く未来を紡いでいくという思考の持ち主。筋の良いビジネス案を考えつくのも会長です。ただ、それをカタチにしていくには、組織をまとめる存在が必要で、戻ってからはそこを担おうと決意しました。ホストという業態は“人”そのものが財産なので、何よりも「人財育成」が大切です。そこで、皆の意識改革を最初に手掛けました。注力したのは「責任感を持ってもらうこと」でした。

 

──当時から今を振り返ると、どのような想いでしょうか?

 

戻った後は、時には会長とぶつかりながらも、ともすればワンマン型になりがちだった運営体制が改善していき、2年程で組織の軸はできたかと思います。その土台が、ホスト事業の全国拡大や、他の事業への展開などに繋がっています。ですが、いつの時代も変革や新しい取り組みは重要です。会長の時代の先を読む力やビジネスに対する勝負勘といった、鋭い嗅覚から生きています。特にここ2年は、外部から専門の知識を持ったプロ人材が参画し、当グループの起爆剤、潤滑油になっています。面白いのが元々人見知りだった会長が色んな逸材達と、飲み屋や人脈で繋がり、スカウトしていく手腕ですね。あの気力や体力、興味を持ったことに対する行動力には、いつも驚かされますね。

 

馬刺

 

“人”という財産を育成し、グループ全体を成長に導く。

──次世代を見据え、人材を育成していると聞きました。

 

現在、試みているのが、私が手掛けてきた「人材育成」をさらに発展させ、組織全体で「本当の意味での成長」を促進すること。次世代を担う人材を育成する、“仕組み”を構築することです。「本当の意味での成長」とは、営業成績だけを追求するような、利益のみにとらわれるのではなく、利他の精神を持ち、素直に学び、常に人の成長を願うことができるようなマインドと、それを実行できる組織になること。難しいところですが、指南役になり、仕掛けていきたいですね。そのために、評価基準の見直しや、制度設計にも手を加えていく必要があると思います。

 

──育成された人材が、事業を生み出す核になると?

 

見せかけだけではなく、本質的な能力を身に付けると、アイデアを絞り出したり、それをカタチにするための胆力や決断力が磨かれたりといった、総合力を手にすることができます。それはすなわち、“経営脳”への進化です。経営脳を得た彼らが、既存事業の経営サイドに回ったり、新しいビジネスを考えて、ホールディングスのグループ会社として起業するなど、個々の成長がグループの成長に直結します。

 

若い子たちから出されるアイデアは斬新で、舌を巻くことが多いです。自分が20代の頃に出なかったような、創造性にあふれています。それを汲み取り、私が培ってきたノウハウを伝えてカタチにしたり、運営や改善に活かしたりするのが楽しいですね。

 

──成長を促すと共に、メンタルケアの達人とも聞いています。

 

それはちょっと前の話で、今はケアはほとんど運営陣に任せています。その中でキーマンになるであろう人達にはケアに留まるのではなく、自立心、本当の意味での大人になることを促す方向に話をすることがあります。単純に、マンツーマンで精神を立て直すのは、絆創膏を貼るようなもので、応急処置にしか過ぎません。大切なのは、「なぜそうなったのか?」を深掘りし、自分を俯瞰で捉えて観察し改善していくような思考力。人間はどうしても、最終的に「自分が正しい」と思いがちな生物です。しかし、それでは思考がストップしてしまいます。だから今は、視野を広げるためのエッセンスを示唆し、「客観的な気付き」に導くことを心掛けていますね。私自身、若いメンバーから新しい気付きを得ることも多いですよ。

 

ホスト事業のさらなる成長と、ホールディングス全体の未来に向けて。

──今、ホスト業界全体が、盛り上がっているように感じます。

 

有名なホストたちが、メディアやSNSで取り上げられることも増え、エンターテインメントとして「ホスト」という仕事は、以前と比べるとずいぶん世間から認知されるようになりました。お客様にとっても、プレイヤーを目指す男性にとってもホストクラブに対する敷居が下がり間口が広がったと思います。ただ一方で、一般企業のような社会的信用があるかと言われると、まだまだというのが現実です。だから、まずは「アトムグループのホストなら大丈夫」と言われるようなブランディングを、さらに推進したいですね。

 

──ホールディングスとして、ホストのセカンドキャリアをサポートしておられますね。

 

先述した「人材育成」は、グループ全体の将来にも大きく関わってきます。既にATMGホールディングスとして、ホスト事業で培った知見やノウハウを活かせる、飲食店の運営や、時代のニーズにマッチしたIT事業、SNS運用をはじめとした広告宣伝事業などを手掛けています。しかし、拡大と多角化に伴い、お客様やステークホルダーから求められる満足度や要件も高くなってきています。当然、経営の難易度も上昇するので、組織を“器”として支えてくれる人材の育成は、最も優先すべきことなのです。

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