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圧倒的なカリスマ性を持ちながら、冷静に数字管理を行う頭脳派。独自の評価制度を導入することで、店舗全体の底上げを図る

2023/02/26

現役時代には「月間売上6,400万円」という偉大な記録を打ち立て、現在はATOM-UMEDA-の代表取締役と、ATOM-CLEAR-の代表取締役代行を務めている嵐優季さん。

トッププレイヤーとしての圧倒的な実力と経験を活かし、現在は2店舗のマネジメントに注力されています。

今回は、規模が異なる2店舗の両立を目指す優季さんに、それぞれのマネジメントで意識しているポイントや、採用している独自の評価制度などについてお話を伺いました。

 

数字による徹底管理。目標達成率を明確にすることで、着実に成長へと導く

 

―ATOM-UMEDA-の代表とATOM-CLEAR-の代表代行を兼任するうえで、両店の運営を成功させるために行っている施策を教えてください。

 

僕は、爆発的な売上を立てられるプレイヤーが一人いる店舗より、売上のアベレージが高い店舗のほうが良いと思うんです。

そのために店舗全体の目標とは別に、プレイヤーに個別の目標を設定させ、それぞれの目標達成率によって評価する体制をとっています。

 

落とし込み方としては、まず幹部陣に月間の売上目標などを伝えます。

そして、幹部から各チームに情報を共有し、個人およびチームごとの売上目標を設定するという流れですね。

 

ここで身につけてほしいのがチームマネジメントのスキルと、目標の適正値を知ることです。

目標を設定する際の考え方としては「80%くらいの確率で達成できそうな、ギリギリのラインを攻めよう」と伝えています。

 

そうやってチームごとに目標を設定し、それぞれの予算を合算した額が店舗全体の予算を超えた状態になったときに「今月はこの目標を達成できるように頑張っていこう」という流れで進んでいます。

その後は10日ごとに進捗度合いを確認し、もし進捗が芳しくなかった場合には対策を検討するという体制をとっていますね。

 

「目標達成率」という数字で管理するようになって良かった点は、幹部陣の評価がしやすくなったということです。

もちろん、ホストは数字だけでは評価できない部分もありますが、明確な数字が確立しているからこそ、チームマネジメント能力などの目に見えない部分も評価できるようになりましたね。

 

恐らくですが、久琉社長は店舗の上層部に対する教育に重きを置いていると思うんです。

久琉社長が上層部をしっかり教育してくださるからこそ、僕は店舗全体の底上げに注力したいと考えています。

 

それに、トッププレイヤーだけが活躍している店舗って、そのプレイヤーが辞めてしまったら一気に経営が傾いてしまうじゃないですか。

だから、僕はトッププレイヤーとランキングが低いプレイヤーとの差があまりない状態が理想だと思うんです。

 

それに、プレイヤー同士の売上にそこまで大きな差がなければ、プライベートもみんなで同じように遊べますよね。

「売上に差があると、みんなで同じように遊べない」という点は、僕自身がプレイヤーだった頃に嫌だったことでもあるんです。

売上の差があまりなければ、抱える悩みも似たようなものになると思いますし、より楽しく働ける環境になるんじゃないかなと思いますね。

 

―大阪屈指の大箱であるATOM-UMEDA-ですが、教育・マネジメントを行ううえで意識していることを教えてください。

 

ATOM-UMEDA-は店舗の大きさや豪華な内装を活かし、派手なパフォーマンスを行うことでブランディングを行うことができます。

お客様に非日常の体験を提供し、大箱であることのメリットを最大限に有効活用していこうと伝えていますね。

 

また、席数も多いのでたくさんのお客様にご来店いただくことができます。

そこで、組数ではなく「顧客数を増やしていくことが重要」ということも意識して伝えるようにしていますね。

 

ただし、大箱ゆえのデメリットもあって、店内が広すぎるので従業員同士のコミュニケーションが少なくなりがちなんです。

この問題を解決するために、待機場所を限定することで従業員同士のコミュニケーションが活発になるような対策を打ちました。

 

―ATOM-CLEAR-はATOM-UMEDA-よりもかなり小箱ですが、教育・マネジメントを行ううえで意識していることを教えてください。

 

ATOM-CLEAR-は「居心地の良さ」や「アットホーム感」を提供できるような店舗にしていきたいと考えています。

小箱ゆえに距離感が近いので、ご来店されたお客様と従業員が必ず会うんですよ。

ATOM-CLEAR-にご来店いただいたお客様に「今日もこのお店に帰ってきたな」という感覚を味わっていただけるような店舗でありたいですね。

 

また、ATOM-UMEDA-と違って控室も狭いので、フロアで従業員同士のコミュニケーションが活発に行われている点も良いことだと思います。

 

小さなコミュニティをいくつも作り、承認欲求を細分化。プレイヤー全員がやりがいを実感できる環境へ

Yuki Arashi

 

―ATOM-CLEAR-とATOM-UMEDA-の両店で実施している退店防止策を教えてください。

 

幹部の人数を増やして裁量権を与えることで、やりがいを実感できるようにしましたね。

元々、僕は何でも自分でやってしまうタイプの人間だったのですが、自分のタスクをどんどん周りのプレイヤーに任せていくようにしました。

 

ただ、最も重要なのは「人材が流出したとしても問題ない店づくりに注力すること」だと考えています。

僕自身、サラリーマンを辞めてホストに転身した経験があるので「辞めたい」と話した段階で、ある程度の覚悟は決まっていると思うんですよ。

 

もちろん引き止めはしますが、「僕たちが引き止めることで揺らぐ決意なのであれば、辞めないほうがいいよ」くらいのニュアンスで接するようにしていますね。

 

―新人の才能を埋もれさせないために意識していることを教えてください。

 

「新人の才能を埋もれさせない」ということも考えたうえで、目標達成率という数字での評価制度を採用しましたね。

まず幹部陣に対して、チームリーダーのほかにサブリーダーも設置するように伝えました。

そうすると、チームの中に4~5人のコミュニティがいくつか成立しますよね。

 

この小さなコミュニティの中であれば、新人の子でもチーム内の売上でコミットできる部分があるので、やりがいを実感することができます。

つまり、プレイヤー全員が何かしらチームに貢献できる環境を整えることで、ランキング上位のプレイヤー以外の承認欲求も満たすことにつながるんです。

 

ホストって「結果を出して褒められたい」という気持ちが強いと思うんですよね。

だから、新人ランキングやヘルプ賞など、褒められる機会を増やすということには意識して取り組んでいます。

 

―目標を達成したプレイヤーへのご褒美や、目標未達だった場合のペナルティなどは設けていますか?

 

ペナルティは特に設けていませんね。

目標を達成できなかった場合は、未達に終わった原因を分析することで次に活かしてもらえたらいいと思います。

 

目標を達成した場合のご褒美についてですが、新人の子から「僕が目標を達成したら、優季さんの身につけている物をください」と言われることがあるので、そういったご褒美はあげていました。

ただ、みんな目標をしっかり達成していくので、僕が持っているブランドの服がなくなりましたね(笑)。

 

特別感を演出できるのは「日々のラスソン」。価値を向上させることで、従業員やお客様が熱狂できる環境を目指す

Yuki Arashi

 

―拡大移転や分店の際に、気をつけるべきことがあれば教えてください。

 

まず、拡大移転の場合は幹部陣の気持ちを奮い立たせることが重要です。

現在のATOM-CLEAR-の箱からATOM-UMEDA-に拡大移転したときは「まずは自分たちが売上を立てないと誰もついてこないぞ」ということを、幹部陣に熱く伝えましたね。

 

その後、ATOM-UMEDA-からの分店によってATOM-CLEAR-が誕生したわけですが、大型店舗が近くにあると、小型店舗は「規模が小さいんだから、売上は負けて当たり前」という空気が漂いがちなんです。

グループトップクラスの店舗から分店しているにも関わらず、売上が思うように伸びないということは、どこかで従業員の心が折れているからだと思うんですよね。

 

そんな状況を打破するために、僕が注目しているのが「ラスソン制度」です。

シャンパンコールなどもありますが、ホストクラブで特別感を味わえるのは「日々のラスソン」だと思うんですよ。

だからラスソンの価値が高まれば、おのずと売上も上がっていくと思います。

その点、ATOM-UMEDA-では「ラスソンの価値」が従業員やお客様に浸透しているので、毎日お店を開けても売上が立つという状況になっているんです。

僕はATOM-CLEAR-の代表代行に就任して間もないですが、「ラスソンの価値を高め、いかに従業員やお客様が熱狂できるような環境にするか」という課題について、今後は注力していきたいと思います。

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