いまやグループトップクラスの人気を誇る店舗にまで成長したATOM-UMEDA-で、プロデューサーを務める嵐要さん。
現在は、ATOM-UMEDA-からの分店によって誕生したATOM-CLEAR-でもプロデューサーとして活躍し、店舗運営における「縁の下の力持ち」として多忙な日々を送られています。
特色の異なる2店舗の運営に携わっている要さんですが、日々どのようなことを意識して仕事に取り組んでいるのでしょうか。
今回は「どんな従業員でも分け隔てなく、良好な関係性を構築できる」と評判の要さんに、教育面で重視しているポイントや両店で実施している施策などについてお話を伺いました。
管理体制を分業することで、効率的な教育を実施
―従業員への教育で意識していることを教えてください。
幹部層・中堅層・新人層の、それぞれに対して異なるアプローチで教育を行っていますが、共通していることは「勤怠管理」と「目標設定」が重要であるということですね。
この2つはどの従業員にも共通している事柄なので、常に意識して管理するようにしています。
新人層に関しては、まずはホストという仕事を楽しんでもらうことが重要なので、半年~1年くらいはあまり口出しせずに様子を見るようにしています。
基本的に、僕は新人教育に深く関わっているわけではないので、常に気にかけてあげて「何か困ったことはないか?」といった声掛けを行うことが中心ですね。
ただ、入店後1年以上経過しても役職に就けていない中堅層に対しては、「このままだと新人にどんどん追い抜かされてしまうぞ」と、危機感を持たせるような指導を行っています。
また、幹部全員がチームリーダーになっているので、新人教育に関してはチームリーダーに任せています。
だから、チームメンバーが何かトラブルを起こしたり、教育が足りていない部分が見つかったりすると、チームリーダーである幹部を指導するようにしているんです。
毎週金曜日に各チームで講習を行っているので、そこで細かく教育・指導が行われていますね。
あと、従業員には個別の目標シートを書いてもらっていて、目標達成率で評価する体制をとっています。
そうやって数値化することでプレイヤー自身も成長を実感できますし、教育側としても褒めやすくなりましたね。
―要さんは大箱と小箱の運営に携わっていますが、箱の大きさによって感じた教育・管理面での違いについて教えてください。
ATOM-CLEAR-は控室がないことから休憩できる場所がないので、みんな積極的に動いてくれるんです。
自然と従業員がフロアに集まることでコミュニケーションも活発に行われるため、ATOM-CLEAR-はすごく管理がしやすいという特徴がありますね。
一方で、ATOM-UMEDA-は広すぎて誰がどこにいるのかわからない状況になりがちです。
マイクを使った遠隔でのコミュニケーションが重要になるため、従業員の管理には苦労しました。
今は待機場所を限定するようにしたので、管理面や従業員同士のコミュニケーション不足は改善してきたと思います。
宝くじに当たったような感覚。環境の変化は自分の成長につながる大きなチャンスと捉える
―要さんは店舗移転や分店といった環境の変化を多く経験されていますが、新天地に異動する際に心掛けておくべきことはありますか?
正直、ATOM-UMEDA-に移籍する話をいただいた時には、どんなリスクがあるのかを最初に考えましたね。
特に集客について不安がありましたが、希咲久琉社長が多くのアイディアを出してくださったこともあって、多くのお客様にお越しいただくことができました。
あとは、自分が決断したからには「とにかくやるしかない」という気持ちの部分が強かったですね。
だからこそ、新天地に異動する際には自分でしっかり決断し、絶対に成功させるという覚悟を持つことが何よりも重要だと思います。
環境の変化ってネガティブに考えがちな方も多いと思うんですけど、僕は自分が成長する大きなきっかけになると捉えました。
移籍の話をもらった方は、宝くじに当たったくらいの感覚で捉えたほうがいいと思いますし、僕自身ATOM-UMEDA-に移籍したことで成長を実感できましたね。
―SNSに関して取り組んでいる施策があれば教えてください。
特に、TikTokには注力しています。
「月間で一定以上の本数を投稿した従業員にはボーナスを支給する」という施策も実験的に行いましたが、動画のクオリティを落とさずに投稿数を増やすという点に関して、みんな苦戦していますね。
あとは、SNSへの投稿を共有するグループLINEを作成しています。
そこでお互いにコメントやいいねをすることで、投稿を拡散できるような体制を構築していますね。
―プロデューサーという役職は社長と代表との間に立つ“中間管理職”のような立場だと思いますが、その立場から考える組織づくりの在り方について教えてください。
基本的には、代表取締役である嵐優季の方針を尊重するべきだと考えていて、その方針や施策をサポートするような立ち回りを意識しています。
ただ、改善が必要だと感じたことについてはしっかりと反対意見を出すようにしているので、頼れる相談役のような存在でいれたらと考えていますね。
―ATOM-UMEDA-とATOM-CLEAR-ではどのようなイベントを実施していますか?
イベントは毎週実施しているのですが、かなり思考を凝らしたイベントを企画していますね。
人数も多いので、おのずとバースデーや役職昇格イベントなどが多くなってくるのですが、季節に合ったイベントやお客様感謝デーに合わせたイベントなども行っています。
なかでも、特に好評だったのがATOM-UMEDA-で実施した「文化祭イベント」です。
従業員が制服を着て、ステージでは屋台も出したので大いに盛り上がりました。
あと、これは他店でも実施していると思いますが、営業中に表彰式を行っています。
営業中に表彰式を行うことで、お客様に向けて感謝の気持ちを伝えられる場を設けることができたので、実施して良かった施策だと思いました。
人事として多くの面接を担当。豊富な経験から見えてきた“売れるホスト”の共通点とは
―両店で実施している退店防止策について教えてください。
あまり無理に引き止めるようなことはせずに「いったん休んで、ゆっくり考え直してみたら?」と伝えるようにしていますね。
一度辞めたいと口に出したからには、ある程度の決意が固まっていると思いますし、モチベーションが下がっている子を無理に働かせたくもないので、考えるための時間を設けるようにしています。
ただ、「中途半端な状態でホストを辞めてしまったら、転職にも困ると思うよ」など、厳しい現実も同時に伝えるようにしています。
ホストは上がり下がりが激しい業界ではありますが、その度に気持ちがブレてしまうような子は、他の業界でも長続きしないんじゃないかなと思いますね。
―人事として多くのホストを面接してきたと思いますが、その経験からホストに向いている人材の特徴などがあれば教えてください。
ホストに向いている子は、とにかく「目がキラキラしている子」ですね。
そういう子は業務内容や接客スキルに関する質問がめちゃくちゃ多いですし、体験入店の時からとても意欲的です。
逆に、給与に関する質問ばかりしてくる子は、あまり伸びない傾向にあるかもしれません。
―要さんが考える「ホストとは」というテーマについて教えてください。
一言でいうと「会えるアイドル」じゃないですかね。
自分を安売りしていたら、ただの「良いお兄さん」で終わってしまいます。
お客様と適切な距離感を保ちつつ、SNSも駆使しながら自分の価値を高めることが重要です。
そういったブランディングができれば、自然とお客様に愛されるホストになれるんじゃないかなと思います。