アトムグループ地方進出をはたした『ATOM-SAPPORO-』。その店長として拠点を盛り上げ、支えている片瀬ほたるさんにインタビュー。店長として心がけておられることや、札幌拠点を取り仕切る代表取締役の櫻井あゅむさんと出会ったときの秘話などを語ってもらいました。
「恩返しをしたい」が原動力。そして、あゅむの魅力と人柄に惹かれる。
──アトムグループに入ることを決めたきっかけを教えてください。
きっかけは体験入店のときに面接をしてくれた、現在本部長の鏡月(カガミライト)さんのお人柄に魅力を感じたからですね。最初ホストとして働いていたのですが、体調を崩して退職を考えたときに「ホストが難しいなら、内勤として残って欲しい」という言葉をかけてくれたのもライトさんでした。入社してからこれまで、ライトさんは何かあったときに親身になって相談に乗ってくれる存在です。本当にお世話になっているので、「恩返しをしたい」という気持ちがアトムで頑張る原動力のひとつになっています。
──当初は『ATOM-ROYAL-』になる前の店舗で勤務していたと聞きました。当時を振り返ってどのような感想をお持ちですか?
ロイヤルの前にあった『アルト』という店舗の時代から参画しているのですが、とにかく当時は我が強かったり、お酒を飲み過ぎると和を乱したりするような、個性あふれるホストたちが多くて大変でした(笑)。まずは全員と面談して、性格や人柄を把握することからスタート。「どんなことを考えていて、これから何をしたいのか?」をきめ細やかにヒアリングし、一人ひとりに寄り添った助言をするようにしたのです。その甲斐があって、従業員たちにまとまりが生まれたのが、当時嬉しいと感じたことですね。また、上司たちから「ほたるのおかげで、お店の雰囲気が良くなったと従業員が伝えてきたよ」という話を聞いたときに、努力した甲斐があったなあと感じました。
──あゅむさんとは、どんな出会いだったのでしょうか?
あゅむは5年ほど後輩になるのですが、初対面のときいきなりタメ口だったこともあって、ファーストインプレッションは良くありませんでした。ただ、その後コミュニケーションをとるうちに、私と同じで「目上の人に対して、グイグイと飛び込むタイプなんだな」ということを知り、すぐに距離が縮まりましたね。別々の店舗で働いていたのですが、新人が来たときに私のことグループの会長に仕立てて、「この人、トップやで」と冗談で紹介するノリをするような関係性でした。
あゅむと付き合っていく中で感じたのは「人間性が豊か」だということ。嬉しいときには人一倍喜びを表現しますし、悔しいと感じたときには人の前で涙を流すこともあります。人に対しても優しく、「注意しなければならないとき」であっても、自分の感情だけで怒りを表すことはなく、相手のことを考えて言葉を選んで伝えるような人格者です。最初の頃は、「兄貴的存在」として親しまれるタイプでしたが、今は立場も変わって「親のような存在」として従業員たちから慕われています。
見知らぬ土地でのハプニングを乗り越え、メンバーたちの結束が固まる。
──札幌店進出前のエピソードについて教えてください。
あゅむが出張で北海道に行ったとき、まだ公には「地方に出店する」とは知らされていなかったのですが「これは進出への前兆だろうなあ」とうっすら感じていました。実はその頃「北海道行きを打診されたら、アトムを辞めよう」と思っていたのです。遠く離れた見知らぬ土地で、ゼロからスタートするのは最初は考えられないことでした。そして1週間ほど経過してから、事務所に招集がかかったので「来るべきものが来た」と思って出向くと、馬刺副会長と想社長、あゅむの3名が揃っており、北海道の新拠点の店長の話が出て引き受けることにしたのです。
──最初は辞めようと思っていた中で、店長を引き受けた理由を教えてください。
北海道進出を勘づいてから1週間ほどあったので、「アトムが目指す未来に地方進出は必要」「店長としてあゅむを支えるのは、組織的に自分が最適ではないだろうか」ということを考える時間があり、腹をくくることができました。
──開店にあたってご苦労されたこと、どのように乗り越えたのかを教えてください。
お店としてはオープン予定が業者さんの都合などもあって、2ヶ月ほど伸びたのは結構大変でした。ただ、その間にみんなで協力しあって内装を推進したので、仕上がったときに「自分たちのお店だ」という感覚、手づくりの愛着がわきましたね。私個人のことで言うと、お金の管理や業者さんとのやりとり、営業戦略の立案から実行、採用活動や動画制作に到るまで、バックオフィス全体を網羅する業務を推進する立場なので、しんどいと感じることもありました。ただそれ以上に、ホストの誰かが「組数が増加」「初めて指名をもらえた」といった成長を感じられるので毎日が楽しい仕事です。また、内勤スタッフが成長して、お店が忙しくなってきても大きなトラブルがなく、スムーズに業務を推進している姿を見たときに嬉しくなります。従業員の頑張っている姿や笑顔を見られるのが、私自身のやりがいですね。
──お話をお伺いすると、とても部下を大切にされています。もともと面倒見が良いタイプだったのですか?
実は全然真逆です(笑)。本質的には個人プレーの方が好きで、アトムに来てから育成する楽しさを覚えました。「アトムを通してこの従業員の人生を預かっている。だから、後悔させてはいけない」という行動原理が生まれましたね。今でも、画像や動画制作にひとりで没頭するのは好きですよ。
今は発展途上中。地道に実績を積み上げ、大阪のような多店舗展開を目指したい。
──現在、店舗として力を入れていることはどんなことでしょうか?
まだまだ発展途上中のお店なので、お客様を増やして売上を伸ばすのがミッションです。並行して従業員の意識改革にも注力しています。たとえばホストであれば、「すぐにお客様がつくプレイヤー」もいれば、そうではないホストも出てきます。後者の「お客様がつかない状態」を当たり前にするのではなく、「なぜホストを始めたのか?」「どうなっていきたいのか?」を深掘りすることで、「本人の気づき」をうながすのです。周りがいくら言ったところで結局は本人のやる気次第なので、問いかけることで自分を変えてもらえるように努めていますね。内勤スタッフも同じように育成しています。
──「鉄腕店長」としてショート動画の配信もスタートされました。どのような経緯だったのでしょうか?
想社長から「やって欲しい」と強く要望されたのがきっかけです。毎日目まぐるしく時間が過ぎていく状況なので、業務のキャパシティ的には大変なこともあるのですが「お客様を呼ぶ」「従業員を増やす」という観点から必要不可欠なので始めました。2月にスタートしたばかりなので、これから効果を追求していきたいと思いますが、先日昔のお客様から私が写っているスクショが送られてくるなど既にちょっとした反響がありますね。
──個人の夢と、アトムで達成したいビジョンを教えてください。
個人としては、結婚して明るい家族をつくることですね。ただ、今は自分のことよりも札幌店を盛り上げることで頭がいっぱいです。近い将来、大阪のように店舗を増やしていきたいので、そのためにはコツコツと結果を積み重ねることが重要だと考えています。私にとって「成功しているお店」の定義は、お客様に喜んでもらってホストも内勤も高い給与を得ることができ“みんなが笑顔”であること。店長として、あゅむと従業員たちを支えながら、上を目指していきます。