大阪の夜を盛り上げるホストグループ「ATOM」。ホスト業界の中でも「梅田」は新天地として注目を集めています。今回は大手企業勤務からホスト業界に飛び込み、一気にトッププレイヤーに駆け上がっただけではなく、現在は代表取締役として梅田の店舗を回している嵐優季さんに「なぜ売上を伸ばし続けられるのか?」を、具体的に伺いました。
月6000万円売上という、前人未踏の領域へ。
―ずっとトップを走り続け、今はお店で殿堂入りされていますね。
周りのおかげですよ。お客様はもちろん、仲間たちの支えがあったからこそ。アトムグループの良いところは支えてくれる環境があることですね。うちで売れている人って、自分だけで売れようというスタンドプレーのタイプのホストはいなくて、むしろ人に感謝してチームプレイを重んじるタイプばかりなんで。新しく入って来た人でも、先輩たちがサポートするので、ちゃんと稼げる仕組みが出来ています。
―始めた頃は、苦労もあったのではないでしょうか?
最初の3ヶ月、指名してくれるお客様は1名のみ。「このままじゃやばいぞ!」と奮いたったのは、生活費が尽きそうになったのがきっかけです(笑)。それでカリスマホストたちのYouTubeを観たり、心理学の本を読みまくったりと研究を重ね、ノートに書いて覚えていました。
ノート2冊がボロボロになるまで書き、そして読み込んでを繰り返して行動に移すようになって、結果が変わってきましたね。たとえばLINEの返し方ひとつとっても、お客様に届く言葉遣いって、全然違うんですよ。そこから売上が急激に増え、3~400万円を超えるように。3ヶ月後に、売上トップになることができました。
―トップを目指すために、努力されたことは?
小さなことからのスタートですね。誰よりも最初に出勤するとか(笑)。そうした細かいこを積み重ねていました。あとは、僕の性格が「0か100か」という極端なところがあって、オンとオフを適切に切り替えられるところは結果につながったかも知れません。
仕事中は完全にオン状態で、“完璧な自分”です。あとはプライドと責任感。関西のホスト業界はどうしても“ミナミ”の方が上のイメージがあったので、梅田店でそれを覆したいという気持ちは強かったですね。
安定を捨て「人生1度きりのチャレンジ!」を選択へ。
―そもそも、どうしてホストになろうと?
きっかけは先輩に「1日体験で1万円貰えるからいかへん?」と誘われたこと。本当に軽い気持ちでした。それが、2020年の3月末頃の話ですね。その後、昼は三菱電機で製造の仕事をしながら、空いた夜の時間だけホストをするように。昼の仕事は安定していましたし、大手企業ならでは安心もあり、良い会社でした。
ただ、その頃アトムグループの社長と話をして「ホストなら月100万円稼ぐのは難しくない」という刺激的な話をしてもらい、夢を感じましたね。当時は家族の関係で借金があったりしたので、昼の仕事の半年分の給料を1ヶ月で手にすることができるというのは、大きなチャンスに感じて。それで「人生一度きり!」と、この世界に飛び込んだんです。
―かなり、ストイックに自分を追い込んだと聞いています。
その頃やったのは、自分の中で甘えをなくすため、アドレスから地元の友だちを全部消す作業。幼なじみに「ホストになる」と伝えたら「絶対にやめとけ」と言われたので、その友人の連絡先もスマホから削除しました。頼れる場所があると、そこに逃げてしまう。それを断ち切りました。「売上トップになるまでは、昔の友人たちとは連絡を取らない」ということを考えていました。この辺りも、僕の極端な性格が出ていますね(笑)
―辛さや、しんどいと感じることはありませんか?
ほとんど無いです。少なくとも仕事上で、それを見せることはありません。“疲れてそう”と思われたら、周りに気を使わせてしまうじゃないですか?やはり仕事中は“完璧”というのが信念。とはいえ、人間なのでちょっとメンタルが落ちる時はありますよ。そんな時は、ひとりきりになれば復活します。自分だけの時間は本当に重要ですね。
―モチベーションはどのように保っているのでしょうか?
「やる気を出す方法」や「やりがい」という質問をよくされるのですが、僕自身はモチベーションが上がるとか下がるとか、そんな感覚は無いです。あるのは「オンかオフか」という認識だけ。お客様や仲間たちが楽しんでいると“嬉しい”とは思いますがそれはやりがいではなく、仕事として当然のことなので。
プレイヤーとしてトップを極め、代表取締役へ!
―今、マネジメントに力を入れておられますね。
人材育成は好きですし、面白いです。僕の方針はみんなで売上を伸ばすこと。どんなホストでも売上100万以上になって欲しいと考えていますし、実際にそうなっているのが喜びですね。そのために、マニュアルを作ったり、きめ細やかにマナーなどを教えたりしています。評判は“ちょっと厳しい”らしいですが(笑)、やっぱ全員に成長して欲しいので。
―新人に伝えているメッセージはありますか?
仕事の内容はもちろんですが「この仕事を辞めても、しっかり自立して生きられるように」ということを伝えています。特にお金の面。この仕事は稼げるので一番“バグる”部分です。そういう僕自身も移動するときはタクシーばかりだったりしますが(笑)。ただ、収入と支出のバランスなどはしっかり気をつけているつもりです。
―ホストに向いている、向いていないはありますか?
全然無いですよ。やる気さえあれば大丈夫。どなたでも大歓迎です。当店は未経験スタートの方がほとんどということもあり、イチから教えますので、ちゃんと吸収してくれれば稼げるようになります。他に挙げるなら「他人任せではなく、自分で考えること」は大切な資質ですね。
―これからの目標を教えてください。
今のホスト業界はアイドルと同じように「推し」の世界になっています。そうしたトレンドを的確に取り入れ、時代のニーズに沿っているところが拡大しているので、そこは意識していますね。中でも発信力。トライ&エラーで、SNSや動画を駆使したPRに力を注いでいる最中です。
たとえば、YouTubeでは“ちょっとした裏側”やホストたちのストーリーなどを紹介中です。個人的には「みんなでダンスを踊って、それをアップしたら注目を集めるんじゃないだろうか?」など、色々アイデアがあります。
グループが大きいので、そうしたアイデアをカタチにできる制作体制が整っているのも、アトムグループの良いところじゃないでしょうか。これからも挑戦し続けていきますよ。